トイレ水漏れの原因と応急処置!自分でできる修理方法から料金相場・再発防止策まで完全ガイド
突然のトイレの水漏れに困っていませんか?便器の横から水が染み出している、タンクの水が止まらない、床が濡れている…。こうしたトラブルは、適切な対処が遅れると高額な修理費用や、最悪の場合、階下への漏水事故にまで発展してしまう可能性があります。
「様子を見ても大丈夫」「市販の補修剤で直せる」というよくある誤解があります。が、これは水漏れを悪化させる危険な判断です。放置により修理費用が3倍以上に膨らむケースも少なくありません。
本記事では、止水栓やボールタップなど、トイレの各部位における水漏れの具体的な原因と、その場でできる応急処置をご説明します。さらに、パッキンの交換など自分でも可能な修理方法から、専門家に依頼すべき状況の見極め方、信頼できる業者の選び方まで、経験豊富な技術者の視点で徹底解説します。
この記事を読めば、水漏れの状況に応じた最適な対処法が必ず見つかるはずです。
【部位別ポイント】トイレの水漏れ原因
トイレの水漏れは発生箇所によって原因が大きく異なります。水漏れの大半は便器本体、タンク内部、床や壁への漏水、給水系統の4つの部位に分類されます。
各部位の詳細な症状と原因を理解することで、効果的な対処方法を選択できます。
トイレ便器から
便器からの水漏れは、主にフランジ部分の劣化やトラップ部分の亀裂が原因です。典型的な症状として、便器と床の接合部からの染み出しや、便器背面からの水漏れが挙げられます。
特に築10年以上の住宅では、シーリング材の経年劣化による水漏れが頻発します。一見小さな漏れに見えても、サイホン効果により予想以上の水量が漏れ出す可能性があるため、早期発見が重要です。
タンク内の部品劣化
タンク内部での水漏れの主な原因は、ボールタップとフロートバルブの劣化です。これらの部品は日々の使用で常に水に触れており、約3-5年で劣化が始まります。
特に浮きゴムの硬化や変形は、オーバーフロー管からの継続的な水漏れを引き起こします。実際の修理現場では、水が止まらない、水が少しずつ流れ続けるといった症状の約8割がこれらの部品劣化に起因しています。
床・壁への水漏れ:配管や接続部の異常
床や壁への水漏れは、配管接続部のゆるみや配水管経路での腐食が主な原因です。特に注意が必要なのは、目視では確認しづらい壁内や床下の配管からの漏水です。
マンションやアパートでは、配管の接続部分での微細な漏れが、長期間気付かれないまま深刻な水害を引き起こすケースが増えています。床のシミや異臭、壁紙の膨らみなどは、配管トラブルの重要なサインとして認識すべきです。
給水管や止水栓から
給水管や止水栓からの水漏れは、水圧調整の不具合や部品の経年劣化が主因です。一般家庭での水圧は約0.2~0.3MPaが適正値ですが、これを超える高水圧状態が続くと、接続部に過度な負担がかかり、漏水リスクが高まります。
また、止水栓の定期的なメンテナンスを怠ると、パッキンの劣化により水が染み出す症状が発生します。特に古い給水管では、スパナやモンキーレンチによる安易な締め付けが、かえって漏水を悪化させる可能性があるため、注意が必要です。
トイレ水漏れの応急処置
水漏れを発見した際の最優先事項は、すぐに水を止めて被害の拡大を防ぐことです。特に深夜や休日の水漏れでは、業者が到着するまでの応急処置が極めて重要になります。
適切な応急処置により、二次被害のリスクを最小限に抑えることができます。
タンクや便器周りの水を止める手順
まず、タンク横や床面に設置されている止水栓を右に回して締めます。止水栓が見つからない場合は、水道メーター付近の元栓を確認します。
水を止めた後、タンク内の水を流して水位を下げることで、内部からの漏水を防げます。注意点として、止水栓を強く締めすぎるとかえって故障の原因となるため、水が止まる位置で締めるのが適切です。
漏れた水の処理と被害拡大防止策
漏水箇所の周辺は、バスタオルや古布で素早く拭き取ります。床への漏水の場合、水が壁や床下に広がるのを防ぐため、周囲にタオルで堤防を作ります。
漏水量が多い場合は、バケツを設置して水を受けることで、床材や壁材への浸水被害を最小限に抑えられます。電気製品がある場合は、感電リスクを考慮して、安全な場所への移動を優先します。
簡易的に水漏れを防ぐ道具の使い方
一時的な応急処置として、シーリング材やパテを使用して漏水箇所を塞ぎます。パッキンからの漏れの場合、テフロンテープを巻くことで応急的な防水効果が得られます。
ただし、これらの処置はあくまでも一時的なものであり、根本的な修理の代替にはならないことを覚えておく必要があります。応急処置で安心して修理を後回しにするケースが多く見られますが、これは逆効果となる可能性が高いです。
応急処置後に行うべきチェックポイント
処置完了後、水漏れが完全に止まったか、新たな漏水箇所が発生していないかを確認します。特に、配管経路に沿って床や壁に湿りがないかチェックすることが重要です。
また、水道メーターのパイロット(検針部分の星マーク)が回転していないことを確認し、隠れた漏水がないことを確認します。応急処置後も定期的な状態確認を行い、状況の変化があれば直ちに専門家に相談することをお勧めします。
自分で修理できるトイレ水漏れ修理方法
DIYによるトイレの修理は、適切な知識と工具があれば十分に可能です。ただし、過度な分解や無理な作業は、かえって故障を悪化させるリスクがあります。
以下に、安全かつ効果的な修理方法をご紹介します。
タンク内の浮きゴム・ボールタップの交換方法
タンク内部の水漏れの大半は、浮きゴムやボールタップの交換で解決できます。
必要な工具と部品は以下です。
- 新しい浮きゴムまたはボールタップ一式
- モンキーレンチ
- タオル(水受け用)
手順は以下です。
- 止水栓を右に回して水を止める
- タンクのレバーを操作して内部の水を抜く
- タンク内部の水滴をタオルで拭き取る
- 浮きゴムの交換
レバーから古い浮きゴムを取り外す
新しい浮きゴムを正しい向きで取り付ける
浮きゴムが真っ直ぐに設置されているか確認 - ボールタップの交換
給水管との接続部分のナットを緩める
固定具を外してボールタップを取り外す
新品を逆の手順で取り付ける - 止水栓をゆっくり開けて給水を再開
水位がオーバーフロー管より2-3cm下になるよう調整 - 水漏れや異常音がないか確認
部品交換後は、水を少しずつ出しながら水位を調整し、オーバーフロー管の位置より2-3cm下になるように設定するのがポイントです。
便器・タンクの接続部位の調整と締め直し
タンクと便器の接続部からの水漏れは、パッキンの劣化や取り付けボルトのゆるみが原因です。必要な工具と部品は以下です。
- モンキーレンチ2本
- タオルまたはウエス
- 新しいパッキン(必要な場合)
手順は以下です。
- 止水栓を閉める
- タンク内の水を完全に抜く
- 給水ホースを外す
- タンクを支えながら、左右のボルトを均等に締める
締め付けは手応えを感じる程度にとどめる - パッキンの状態を確認
必要に応じて交換 - 給水を再開し、接続部からの水漏れを確認
タンクを満水にして、接続部全体を入念にチェック
修理の際は、タンクを支えながらボルトを均等に締め直します。この時、締めすぎるとタンクや便器を破損する恐れがあるため、適度な締め付けを心がけます。
パッキンが劣化している場合は、専用のパッキンに交換することで、確実な防水効果が得られます。
便座下や床からの水漏れに対するシーリング方法
便器と床の接合部からの水漏れには、シーリング材による処置が有効です。必要な工具と部品は以下です。
- 専用シーリング材
- カッターナイフ
- 古いシーリング材除去道具
- マスキングテープ
- ウエスと洗剤
手順は以下です。
- 便器周りにマスキングテープを貼り、はみ出し防止
- カッターナイフで古いシーリング材を慎重に取り除く
- 接合部の汚れや残留物を洗剤で完全に清掃
表面を完全に乾燥させる - シーリング材を均一な太さで隙間に注入
ヘラや指先で表面を整える - 余分なシーリング材を除去
- マスキングテープを慎重に剥がす
- 24時間以上、完全に乾燥させる
- 乾燥後、シーリング部分の状態を確認
- 水を流して漏れがないか確認
シーリング材が便器と床の隙間に十分に行き渡るよう、慎重に作業を進めます。シーリング後は24時間以上の乾燥時間を設けることで、確実な防水効果が期待できます。
止水栓・給水管のゆるみ調整
給水系統からの水漏れは、接続部のゆるみが主な原因です。この場合、モンキーレンチやスパナを使用して、適度な力で締め直します。必要な工具と部品は以下です。
- モンキーレンチまたは適合スパナ
- 水受け用バケツ
- ウエス
- 新しいパッキン(必要時)
手順は以下です。
- 水漏れ箇所の特定
給水管と止水栓の接続部を確認
水漏れの正確な位置をウエスで拭きながら特定
パッキンの状態を目視確認 - 止水栓を閉める
- 給水管を支えながら、接続ナットを適度な力で締め直す
- パッキンの劣化が見られる場合は交換
樹脂製の給水管は特に慎重に作業 - 止水栓をゆっくり開ける
接続部からの水漏れを入念にチェック - 水圧をかけた状態で30分程度経過観察
給水管は樹脂製の場合が多いため、過度な力をかけると破損する恐れがあります。特に古い給水管の場合、無理な締め付けは避け、部品の交換を検討するのが賢明です。
また、パッキンの劣化が見られる場合は、同時に交換することをお勧めします。
トイレ水漏れを放置するリスクと悪化の可能性
水漏れを放置することは、予想以上の深刻な事態を招く可能性があります。特に集合住宅では、一世帯の水漏れが複数の住戸に影響を及ぼすこともあり、修理費用が高額になるだけでなく、近隣トラブルの原因にもなりかねません。
水道料金の増加や予期せぬ高額請求
微細な水漏れであっても、24時間365日継続して発生すれば、水道料金は驚くほど膨らみます。実際の事例では、タンク内の部品劣化による微量な水漏れを3カ月放置したことで、通常の3倍以上の料金請求が発生したケースがありました。
特にトイレタンク内での水漏れは気付きにくく、請求書を受け取るまで異常に気付かないことも多々あります。
床材や壁材への浸水被害とカビの発生
水漏れによる床材や壁材への影響は、見た目以上に広範囲に及びます。水は毛細管現象により、見えない部分にまで浸透していきます。その結果、フローリングの膨張や剥離、壁材の腐食、さらには構造材の劣化まで引き起こす可能性があります。
また、湿気の多い環境は有害なカビの温床となり、特に夏場は24時間以内にカビが発生し始めることもあります。
マンションや集合住宅での階下漏水
集合住宅での水漏れは、単なる個人の問題では済まない深刻な事態に発展する可能性があります。配管やトイレ周りからの水漏れは、階下の住戸に被害を及ぼし、天井のシミや壁紙の剥離、電気設備の故障など、予期せぬ損害を引き起こします。実際の現場では、一世帯の小さな水漏れが、複数階に渡る大規模な修繕工事に発展したケースも少なくありません。
トイレ本体や配管の劣化と修理費用の増大
継続的な水漏れは、トイレ設備全体の寿命を著しく縮めます。水の浸食により、配管の腐食や接続部の劣化が加速度的に進行し、最終的には設備の完全な取り替えが必要になることもあります。
初期段階での修理費用が数千円程度で済むケースでも、放置により数十万円規模の工事費用が発生するリスクがあります。
長期的な健康被害と衛生面での影響
トイレの水漏れは、単なる設備の問題だけでなく、居住者の健康にも影響を及ぼします。湿気の多い環境は、アレルギー疾患や呼吸器系の症状を引き起こす可能性があります。
特に、目に見えない部分でのカビの繁殖は、深刻な健康被害につながる恐れがあります。また、漏水による悪臭は生活の質を著しく低下させ、精神的なストレスの原因にもなります。
水道修理業者への依頼の判断基準
以下のような具体的な状況では、即座に専門家への依頼をお勧めします。
DIY修理が難しい状況と判断基準
以下のような状況では、DIY修理は避けるべきです。
- タンクと便器の間から1分間に10滴以上の水漏れがある場合
これは1日あたり約10リットルの漏水を意味し、配管接続部の重大な不具合を示唆します。 - 便器下部のシリコンを剥がした際に、床材が著しく変色・劣化
床下への長期的な漏水の証拠で、構造材の腐食リスクがあります。 - 水を流した際に、通常とは異なるゴボゴボという音が発生
排水管の詰まりや破損の可能性が高く、配管内部のカメラ調査が必要です。 - トイレ使用時に床がたわむ感覚がある
土台の腐食が進行している危険なサインです。
水漏れの範囲や原因別の依頼タイミング
以下の状況では専門家の即時対応が必要です。
- 便器下部の床に10cm以上の範囲で水染みが広がっている
- 24時間以内に水道メーターのパイロット(星マーク)が5回以上回転する
- トイレ使用後30分以内に、タンクの水位が1cm以上低下する
- 止水栓を閉めても15分以上水が止まらない
- 壁からの水漏れで、湿気を帯びた範囲が手のひらサイズを超える
以下のケースは、配管の重大な劣化を示すサインで専門家の即時対応が必要です。
- 築25年以上で配管交換歴がない給水管からの漏水
- 配管接続部の緑青(銅さび)が直径2cm以上に広がっている
- 給水時に配管から金属音が発生する(老朽化による配管内部の腐食が原因)
- 排水管の継ぎ目から黒い水が染み出している(パイプの内部腐食の証拠)
高所や特殊な工具が必要な場合
以下の修理は専門的な技術と設備が必須です。
- 天井裏2m以上の高さにある配管からの漏水
- 壁内に埋め込まれた給水管の交換(専用の内視鏡カメラが必要)
- 床下30cm以下の狭小空間での配管修理
- トイレ本体の交換(重量物の扱いと専門工具が必要)
業者依頼のメリットと安全面での優位性
専門業者依頼の具体的なメリットを以下に挙げます。
- 修理後の1年間の無償保証付き(一般的な業者の標準サービス)
- 24時間365日の緊急対応で、深夜でも30分以内に現場到着
- 漏水箇所の特定から修理完了まで、平均90分以内で対応
- 水道局指定工事店なら、本管での工事も即日対応可能
- 保険適用可能な修理の場合、保険会社との交渉もサポート
トイレ水漏れ修理の料金相場と費用内訳
最も多い水漏れトラブルとその修理費用の具体例をご説明します。料金は地域や業者によって変動しますが、一般的な相場観をお伝えすることで、適正価格での修理依頼の判断材料としていただけます。
一般的な水漏れ修理費用の目安と相場
平日日中において、タンク内部の修理にかかる基本料金の相場は以下の通りです。
- 出張費:5,000円~8,000円
- 基本工賃:4,000円~7,000円
- 部品代:2,000円~5,000円
- 合計:11,000円~20,000円
深夜・休日の場合は1.5~2倍の割増料金が発生することが多いです。例えば、日曜の上記同様の修理では16,500円~40,000円程度かかります。
緊急対応での一般的な追加料金は以下です。
- 22時以降の深夜割増:基本料金の50%増し
- 年末年始:基本料金の100%増し
- 即日対応:3,000円~5,000円の割増
夜間・休日・週末でトラブルが発生した場合は、割増料金がかからない業者を選ぶのもよい方法です。ただし、詳細な条件が付く場合もあるのでしつこいくらいに確認しましょう。
部位別の修理費用(タンク・便器・配管など)
症状と修理内容別の具体的な費用例を以下に挙げます。
症状 | 修理内容別費用例 |
---|---|
タンク内の水漏れ |
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便器周りの水漏れ |
|
配管関係 |
|
追加費用が発生するケースと注意点
以下のような状況では、予想以上の費用が発生する可能性があります。
追加費用が発生するケース | 費用例 |
---|---|
隠れた損傷の発見時 |
|
工事の難易度が上がる |
|
二次被害の修理が必要 |
|
上記の価格は標準的な相場であり、地域や建物の状況、使用する部材の品質によって変動することがあります。見積もり時には、必ず作業内容と使用部材の詳細を確認することをお勧めします。
トイレ修理業者の選び方と見極め方
信頼できる水道修理業者とそうでない業者の明確な違いをお伝えします。実際のトラブル事例も交えながら、安心して依頼できる業者の具体的な特徴をご説明します。
信頼できる業者を見極めるポイント
優良業者の具体的な特徴を以下に挙げます。
見極め方法 | 優良業者の特徴 |
---|---|
電話対応の質 |
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見積もり提示方法 |
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保証・アフターケア |
|
資格・実績 |
|
このような確認を行うことで、信頼できる業者かどうかを事前に判断できます。特に、深夜や休日の緊急時こそ、これらのポイントを意識することが重要です。
悪質な業者の特徴と注意すべきサイン
要注意な業者の典型的な行動パターンを以下に挙げます。
見極め方法 | 要注意業者の特徴 |
---|---|
見積もり時の不審な点 |
|
作業中の不適切な行動 |
|
トイレ水漏れ修理完了までの作業時間目安
具体的な作業時間の目安をご説明します。修理内容や状況によって作業時間は大きく変動しますが、一般的なケースでの所要時間と、作業工程ごとの詳細な内訳をお伝えします。
自分で修理する場合の時間の目安
一般的なDIY修理の所要時間を以下に挙げます。
作業 | 所要時間目安 | 作業工程の内訳 | 備考 |
---|---|---|---|
タンク内の部品交換 | 40-60分 |
|
ボールタップ交換の場合は+20分程度 |
便器とタンクの接続部の締め直し | 30-45分 |
|
|
便器周りのシーリング | 90-120分 |
|
完全乾燥まで24時間必要 |
業者依頼時の待機時間と作業時間
一般的な修理業者で工事にかかるまでの時間について、一般的な修理(平日日中)を例にして以下に挙げます。
- 電話受付から現場到着:30-60分
- 現場での状況確認:10-15分
- 見積書作成・説明:15分
- 合計:約55分-1時間半
緊急修理(深夜・休日)サービスを利用した場合(業者によっては有料)は以下の時間で工事開始できる場合もあります。
- 電話受付から現場到着:15-30分
- 現場での状況確認:10分
- 見積書作成・説明:10分
- 合計:約35分-50分
修理内容別の標準作業時間の例を以下に挙げます。
修理レベル | 修理内容と費用目安 |
---|---|
軽度 |
|
中程度 |
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大規模 |
|
上記の時間はあくまでも目安であり、以下の要因で変動する可能性があります。
- 建物の構造や築年数
- 漏水の規模と範囲
- 部品の在庫状況
- 作業スペースの広さ
- 予期せぬ追加作業の発生
水道修理業者に問い合わせる準備と手順
お客様からの的確な情報提供が、修理時間の短縮と適切な見積もりにつながります。特に緊急を要する水漏れの場合、初回の電話連絡時の情報が、修理の迅速さを大きく左右します。
問い合わせ前に準備すべき情報(漏れ箇所・程度など)
修理業者への連絡前に、以下の点を必ず確認しましょう。
- 水漏れの発生箇所
タンク/便器/床/壁のどこから - 漏水の程度
1分間の水滴数や水たまりの大きさ - 水漏れの発見時期と経過時間
- 建物の築年数
- 過去の修理歴
特に、マンションやアパートの場合は、管理会社への連絡が必要かどうかも事前に確認しておくことをお勧めします。また、スマートフォンで漏水箇所を撮影しておくと、電話での状況説明がより正確になります。
止水栓の場所を事前に確認しておくことも、緊急時の対応を円滑にする重要なポイントです。
効率的に質問・見積もりを依頼する方法
修理業者への連絡時は、まず漏水の緊急度を明確に伝えることが重要です。以下のような具体的な状況説明が、適切な対応の判断材料となります。
- 「便器の横から水が噴き出している」
- 「床下にまで水が広がっている」
見積もり依頼の際は、以下のような複数の修理方法の提案を求めることをお勧めします。
- パッキン交換だけでよい
- 配管の一部交換が必要
- 便器ごと取り替えた方が経済的
中長期的な視点での選択肢を提示してもらいましょう。
実際の現場では、見積もり時に使用する部品の現物を確認することで、修理後のイメージがより明確になります。また、保証内容や追加料金が発生する可能性についても、この段階で具体的に確認しておくことが重要です。
問い合わせ時の適切な伝え方
修理業者との円滑なコミュニケーションのために、以下のように時系列に沿った状況説明が効果的です。
- 「昨日の夜から便器の横から水が染み出し始め、今朝には床に水たまりができている」
また、現場での作業条件も重要な情報です。以下は、事前に伝えておくべき重要な情報です。
- トイレの周りに家具が多い」
- 作業スペースが狭い
- ペットがいる
- 小さな子供がいる
休日や夜間の修理依頼の場合は、割増料金の発生する時間帯や、具体的な料金体系について必ず確認しましょう。また、使用する部品の在庫状況も確認することで、修理完了までの時間をより正確に把握できます。
現場での作業前には、必ず見積書の確認を求め、作業内容と料金について明確な合意を取ることが、トラブル防止の基本となります。
トイレ水漏れ予防と再発防止方法
築10年以上の住宅では、定期的な点検により、高額修理の8割以上を未然に防げることがわかっています。点検時のポイントと具体的な予防方法をお伝えします。
月1の簡単な点検方法
毎月1回、トイレ掃除の際に行う簡単な点検が問題の早期発見に効果的です。
- タンクに水が溜まった状態で、タンクと便器の接合部を手で触り、湿り気がないかを確認します。
- 便器の周囲を乾いた白い布で拭き、水染みや黄ばみがないかチェックします。
重要なのは、トイレを流した後の「音」の変化です。通常と異なるゴボゴボという音や、水を流した後も長く水の流れる音が続く場合は、部品の劣化が始まっているサインです。
また、タンクの水が溜まるまでの時間が明らかに長くなった場合も、要注意です。
半年に1度確認すべき部品や接続部位
半年に1回は、以下の重点箇所の詳細な点検を行うことをお勧めします。
- タンク内のボールタップと浮きゴムの状態確認
浮きゴムが硬化していたり、変形している場合は、水漏れの前兆として早めの交換が必要です。 - 便器とタンクの接続部の緩み確認
手で軽く触れて、グラつきがないか確認してください。 - 床と便器の接合部のシーリング確認
ヒビや剥がれが見られる場合は、早めの打ち直しが推奨されます。 - 給水管と止水栓の点検
止水栓を全開から少し戻した状態にすることで、水圧による負担を軽減できます。 - 水道メーターのパイロット(星マーク)確認
トイレを使用していない深夜にマークが回転している場合は、どこかで水漏れが起きている証拠です。
予防保全のコツは、「見て・触って・聞く」の三段階です。目視での確認、手での触診、そして使用時の音の変化に注意を払うことで、ほとんどの問題を早期に発見できます。
特に、便器下部の床に定期的に手を当てて湿り気を確認することは、床下漏水の早期発見に効果的です。
まとめ
トイレの水漏れは、放置すると深刻な事態を招く可能性がある身近な住宅トラブルです。タンク内の部品劣化や配管の老朽化など、原因は様々ですが、早期発見と適切な対応が修理費用の抑制に直結します。
応急処置として止水栓を閉めることは重要ですが、それは一時的な対策に過ぎません。
特に注意すべきは、DIYで対応できる範囲を見極めることです。配管からの漏水や床下への浸水が疑われる場合は、速やかに専門家への相談が必要です。
信頼できる業者を選ぶ際は、見積もりの明確さや保証内容を重視し、複数の業者に相見積もりを取ることをお勧めします。専門家の知見を活かした適切な判断と対応で、安全で快適なトイレ環境を維持していきましょう。
よくある質問
トイレの水漏れ修理にかかる費用の相場はどのくらいですか?
修理内容によって費用は大きく異なります。最も一般的なタンク内の部品交換(ボールタップやフロートバルブの交換)の場合、平日日中で11,000円~20,000円程度です。内訳は以下の通りです。
- 出張費:5,000円~8,000円
- 基本工賃:4,000円~7,000円
- 部品代:2,000円~5,000円
ただし、深夜や休日は1.5~2倍の割増料金が発生します。また、配管の交換が必要な場合は80,000円~150,000円程度かかる可能性があります。
水漏れを見つけた時、すぐにやるべきことは何ですか?
まず以下の3つの応急処置を直ちに行ってください。
- タンク横や床面の止水栓を右に回して締め、給水を止める
止水栓が見つからない場合は水道メーター付近の元栓を確認 - タンク内の水を流して水位を下げる
漏水量を最小限に抑えるため - 漏水箇所の周辺をバスタオルや古布で拭き取り、必要に応じてバケツを設置
深夜でも、これらの応急処置で一時的に被害の拡大を防ぐことができます。ただし、止水栓を強く締めすぎるとかえって故障の原因となるため、水が止まる位置で留めることが重要です。
トイレの水漏れはDIYで修理できますか?
DIY修理が可能なケースと、即座に業者依頼が必要なケースは以下の基準で判断できます。
DIY修理可能な症状:
- タンク内の浮きゴムやボールタップの交換
- パッキンの交換や部品の調整
- 便器周りの簡単なシーリング
すぐに業者依頼が必要な症状:
- 便器下部の床に10cm以上の範囲で水染みが広がっている
- 止水栓を閉めても15分以上水が止まらない
- 壁からの水漏れがある
- 床がたわむ感覚がある
特に築25年以上の配管からの漏水や、床下・壁内からの漏水は、DIY修理による対応は危険です。こうした場合は、二次被害を防ぐためにも、必ず専門家に依頼することをお勧めします。